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トピックストップ | おしっこの話
 
 
【おしっこの話―@、排尿障害】  
隣人の事情が良く判る公衆便所の男性用トイレは残酷である。若い頃はモノの大きさが気になり、歳がいくと排尿の時間が気になる。駅やドライブインのトイレでは後ろに並ぶ人の視線も気になる。早くことを済ませなくてはならず、つい先日までは時間のかかる年寄りの後ろには並ばなかった自分の立場が逆転している。

前立腺は男性性器である。睾丸、陰茎の仲間であるが、外からは見えない。膀胱の出口にあって真ん中を尿道が通り、栗の実の大きさ。精液の一部となる前立腺液を分泌する。青春の日々にはもてあまし、若き良き日には大いに活躍したものであるが、年とともに下降線をたどる運命にある。前立腺は、本来萎縮して小さくなるが、人によってはどうゆうわけか増殖して大きくなる。これが前立腺肥大症である。



従来、男性の排尿障害は前立腺肥大症が原因と見られていた。膀胱直下の尿道周囲を包む前立腺が大きくなって尿道を圧迫。その結果、おしっこが出にくくなり、残尿感が生じるという理由だ。
このため、前立腺の切除手術がよく行われてきた。しかし、手術しても期待したほど改善しないケースもあり、前立腺だけが原因でないことが分ってきた。前立腺の大きさと排尿障害の程度が一致しないのだ。
そこで浮上したのが、前立腺と尿道の収縮機能。前立腺の肥大化が尿道を抑えつけるだけではなく、交感神経から出る神経伝達物質のノルアドレナリンによって、前立腺や尿道の筋肉が過剰収縮して、尿道閉塞を起こすのだ。「大部分の排尿障害は、両方の要因があり、収縮反応が60%も関与している」という報告もある。

そこで、ノルアドレナリンの働きを抑える「α遮断薬」で、収縮を防ごうとする薬物療法が普及してきた。元来、この薬は血圧降下薬として開発されたもの。このため血圧の低下や、めまい、立ちくらみといった副作用が出ることもあるが、最近では、前立腺と尿道だけに効くものも開発された。
排尿障害があると、「長時間の会合がおっくうになる」、「夜の水分摂取を控えるようになった」、「外泊ができない」といった日常生活にも支障が出る。悩みを独りで抱えず、早めに治療すれば、手術をせずにすむ。ただし、健康診断などで前立腺肥大が指摘されても、気になる症状がなければ、問題は無いとされている。

おしっこに勢いがなくなるのは、老化現象だけではなく、病気だ、と考えた方がよいと思う。
ここで一つ注意しなくてはならないことがある。排尿障害の原因となるクスリが判っているので、それらに対する注意だ。市販の風邪薬や胃腸薬、アルコール、抗コリン作用を持つ鎮痙薬、抗ヒスタミン薬、抗うつ病薬などがその原因となる。孫の七五三のお祝いでお酒を飲みすぎて救急車のお世話になったり、奥さんの風邪薬を飲んで夜間におしっこが出なくなり大騒ぎしたり、私の周囲にもそんな話は一杯ある。
とにかく無理はいけない。医師や薬剤師の指導はしっかり守って欲しい!
【おしっこの話―A、中高年男性の残尿漏れ】
最近、女性の尿漏れがマスコミなどにも取り上げられ、市民権を得たように思われるが、男性は尿漏れとは無縁なのだろうか? そうでもないらしい。男性も中高年になると、思わぬ不覚があるものらしい。
先日も、薬局店頭に「小便を終えてファスナーを上げた途端、チョロチョロと生暖かい小便がたれて、下着やズボンを濡らして、婆さんに怒られた。前立腺の病気かね?」と相談を受けた。他のお年寄りに尋ねても、おしっこを終えてファスナーを上げた途端、下着やズボンを濡らした経験を持つ人はかなりの数に上っている。ショックを受けて、それからは頻繁にトイレに立つようになったり、前立腺の疾患を気に病んだり・・・・・。

でも、これは「排尿後尿滴下」と呼ばれる症状で、尿道に残っていた尿が少量漏れるもの。中年以降になると、尿道周囲の筋肉である「球海綿体筋」の収縮力が弱まってくるために生じるもの。心配するような異常ではない。排尿が途切れがちで、勢いよく出なくなる前立腺肥大症とは明らかに異なるもの。
幼児が排尿後にパンツが濡れると、「おちんちんを仕舞う前に良く振りなさい」と母親が叱るが、これも尿道に残った尿が垂れたものである。

こんな尿失禁、穿いているパンツやズボンに意外な誘因が隠れている場合がある。パンツの穴やズボンのファスナーの位置が高いと、ペニスの根元が上向きの状態で排尿するようになる。穴のないビキニスタイルのパンツを少し押し下げてする排尿や、ブリーフやズボンの穴の部分で、ねじれたり、押さえつけられたりしても、尿が出し切れない。便器に向かう時は、尿道が全て下向きになる形で排尿すると、防ぐことはできる。

そればかりではない。高齢者は男女を問わずお茶好き。極端に多く飲むと尿漏れの原因になる。普段水分の適量は食事以外で1日1〜1.5?。特に夜間に多飲する人は、睡眠中に即跳ね返る。寝る3時間前からは水分摂取は控えるようにしたい。
反面、水分を飲む量が少なすぎるのも良くない。膀胱に溜まる尿の量が少なくなって、頻尿になりやすい。水分摂取が少ないと、尿が濃くなって膀胱が刺激され、尿意が強くなる。尿路感染や尿路結石、脳梗塞なども招きやすくなる。
水分の制限も補給も、ほどほどが一番!!
【おしっこの話―B、女性の尿失禁】
女性が人に話せず、独り悩んでいる症状に尿失禁がある。最近では、マスコミなどにも取り上げられるようになり、市民権を得たのでは、と考えるのだが、まだまだ独りで悩んでいる人が多い。くしゃみや咳をした途端、また重いものを持ち上げたり、大笑いをして、思わず漏らしてしまう。時には歩いているだけで濡れてしまうこともある。多くは、下着が濡れることで気付き、尿漏れ感はない。少量ならば、生活に支障は無いが、当人は大いに自信喪失する。「もしも人前で失敗したら・・・・・」、どんどん不安は広がっていく。慢性の尿失禁は40歳以降に増えて、それも出産回数が多い女性ほど目立つという。

どうして、女性は尿が漏れやすいのか?
産婦人科の医師に尋ねると、「子供を<産む性>としての宿命。何も恥ずかしがることはありません」と、次のように説明。

◇ 男性に比べて尿道が短く、骨盤も広く、骨盤底の構造が柔軟である
◇ 妊娠と分娩によって、尿道を締めている骨盤底の筋肉が弱くなったり、膀胱や尿道が下がったり、周
  りの神経が傷ついたりする
◇ 膀胱や尿道の働きは、エストロゲン(卵胞ホルモン)の影響を受けており、閉経により症状が進む
  実際、お腹に力を入れたときに起こる「腹圧性尿失禁」の9割以上が出産の経験者。とりわけ3児以上
  産んだ女性や、難産、生まれた子供が大きい場合に起きがち、というデータがある。また、肥満や上
  背がある人も腹圧がかかりやすいという。

尿失禁は、女性であるが故の弱点。それなのに、「尿漏れするようになると女もおしまいだな」と、こんな旦那さんの言葉に傷つき、"小さな秘密"が打ち明けられず、外出ができなくなった主婦もいる、と聞く。
最近は、逆戻りしない高吸水性ポリマーの尿漏れ専用のパッドも販売されている。おしっこごときで、生活行動を狭くすることはない。

こんな尿失禁が、最近では若い女性、しかも中・高校生にも見られるという。「縄跳びをやらせると、失禁する女生徒がちらほら見受けられる。更年期を迎えたみたいで、子供たちの体力低下もここまで来ているのか、とても心配です。」と、高校の女性体育教師から聞いたことがある。
女性の尿道は、男性より短くて太い分、確かに漏れやすい。ただし、若い人のケースは尿が溜まった状態で、下腹部に力が入って、突発的に失禁してしまうらしい。普通は、尿が溜まって膀胱内圧が上がると、腹圧がかかって、尿道の括約筋(骨盤底筋群と呼ばれる)が収縮して漏れない仕組みができているという。

しかし、骨盤底筋群が弱くなり、尿道の収縮も悪くなってくると、腹圧性の失禁を起こす。重症になると、手術を受けなくてはならない。でも、腹圧性尿失禁の多くは骨盤底筋群を鍛える運動と、補助的な薬物療法(持続性β2刺激薬の塩酸クレンブテロールなど)で治療可能といわれている。
健康な女性の3人に1人は悩んでいる、という調査報告もある。失禁に悩んでいる人は、本人が思っているよりたくさんいるようだ。いわば、女性に共通する症状といえ、すでに欧米では「泌尿器婦人科」という専門科目ができているという。
でも、日本では、まだまだ恥ずかしさや、諦めからか、医療機関を受診する人は少ないという。
勇気を出して、泌尿器科や産婦人科に相談することをお勧めする。それが、悩みを軽くするだけではなく、尿失禁に対する偏見を改め、医療の認識を高めることにもなる、と考える。
 
   
     
   
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